『神様の女房』を読んで

2012年12月06日

 髙橋誠之助さんの『神様の女房』を拝読いたしました。

 高橋さんは1940年京都府生まれ、1963年神戸大学経営学部卒業後、松下電器産業(現パナソニック)入社、入社7年目の時に本社勤務の内示があり、以来松下家の執事の職務に就き、20年以上にわたり松下家に関する一切の仕事を担ってきたそうです。2005年、財団法人松下社会科学振興財団支配人の職務を最後に定年退職されました。

 ある会合で篠崎の書店「読書のすすめ」が出張販売をしていて、清水店長のおすすめの本として購入したものです。
 
 タイトルにある「神様」とは、松下幸之助さんのことで、この本はその妻であるむめのさんの人生を描いたものです。むめのさんは平成5年9月5日に97歳で逝去されました。

 この本には日本の古き良き時代の情景が随所に出てきます。

 「うちに勤めたからには、不手際があっては困ります。家名にかかわりますから」
 お手伝いを雇うとき、まずこうぴしゃりと言ったのが、むめのだった。廊下を歩く際には、むめのの先を歩くことは許されなかった。敷かれた絨毯の上を歩くのではなく、両端の床部を歩くように指示した。立ち話は許されない。たとえ廊下でも、正座してから話を交わす。部屋を歩くときには、敷居や畳の縁をふまない。ちゃぶ台は、畳の縁に沿って部屋に正しく置く・・・・・・。できないと、客人の前であっても、叱責が飛んだ。

                『神様の女房』より引用 


 私の子供のころはどこかのおうちに行くと、まだこういう厳しいおばあさんがおられました。

 子供心に「あのおうちに行くと細かいことをいちいち叱られるから行きたくないなあ・・・・・・」と思ったのを記憶しています。

 いまではこのような細かいことを厳しくしつけるお宅もなくなったのですが、逆に日本らしさもなくなってきました。

 なんだか少し寂しい気もいたします。

 松下電器産業の発展には影でのこういった精神的な支えもあったのではないでしょうか。

 松下幸之助を支えたむめのさんという方はどういう方だったのか、みなさまもご参考になさってください。

  


 参考文献:『神様の女房』 高橋誠之助 (ダイヤモンド社)
 

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