ジョン・C・マクスウェルの『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』より引用します。
休憩時間に受講者が私のところへ来て、自分が考えているビジョンを簡単に説明した後、「私のビジョンをみんなは受け入れてくれるでしょうか」と質問する。
私の答えはいつも同じだ。
「その前にお聞きしたいのですが、あなたはリーダーとしてみなさんに受け入れられていますか」
ビジョンについては、順序を間違えている人が多い。目標が素晴らしければ、人々は自動的にそれを受け入れ、ついてきてくれると思いがちだ。
しかし、実際はそういう仕組みにはなっていない。人々は目標が立派だから、それを目指すわけではない。自分が信じることのできる目標を掲げている、尊敬できる人物についていくのだ。
『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』p200より引用
これはまた耳が痛いですね。
社員数の少ない中小企業においては、従業員と社長の距離は短いですから、尊敬できない経営者は愛想を尽かされてしまうことでしょう。
むかし大企業に勤めていたとき、社長や役員がときどき店舗に視察にやってきました。平社員の立場から見ると上場企業の役員なんて雲の上の上の存在でした。
いま思うと生意気な話ですが、そのとき見ていたのは、偉い人とはどういう人なのか・・・・・・ということでした。
直属の課長や支店長なども、話された内容よりも、どういう人だったかということの方をいまでもよく覚えています。
いまでは、私が従業員たちから見られる立場になりました。
格好をつけたり、気に入られようとしたりしても、見透かされてしまうでしょう。
信頼関係を築くには、真実の自分の方法で、成果をあげていくしかないでしょう。

参考文献:『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』
ジョン・C・マクスウェル(著) 渡邉美樹(監訳) (三笠書房)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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