浅沼宏和さんのご著書『世界一やさしいドラッカーの教科書』196pより引用いたします。
「自らが与える影響について責任をとるべきことは太古の昔からの法的原則であ
る。
自らの過誤によるものか、怠慢によるものかは関係ない。
・・・・・・ローマの法律家たちは、これを野獣の原則と名づけた。
ライオンが檻から出れば責任は飼い主にある。
不注意によって檻が開いたのか、地震でカギが外れたのかは関係ない。
ライオンが凶暴であることは避けられない」
社会的責任を考えるうえでこの「野獣の原則」はとても重要です。
簡単にいえば、野獣の原則とは自らの行動によって起きたことには、どんな理由があろうと責任があるということです。
『世界一やさしいドラッカーの教科書』196pより引用
このエピソードはドラッカーが使ったものだそうです。
私はエピソードの最後の二行を読んで、ドキッとしました。
不注意によって檻が開いたのか、地震でカギが外れたのかは関係ない。ライオンが凶暴であることは避けられない。
どんな事情があろうとも、責任は自社にあるというこの事実・・・・・・。
かつて自分が不可避な突発的な事故に見舞われたときに、他責にしようという心が微塵でもなかったか?という自分への責めです。
企業にはそれほどの社会的な責任があるわけです。
そう考えると、社長は企業という刃物をもっているようなもの、良いことに使うのも悪いことに使うのも、すべては社長の責任です。
その責任を果たすために、社長は企業をマネジメントしなくてはなりません。
背筋が伸びる思いです。

参考文献:『世界一やさしいドラッカーの教科書』 浅沼宏和 (ぱる出版)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ドラッカー