陳建一さんのご著書『「段取り」の鉄人』49pより引用いたします。
お客さまと一緒に写真を撮るようなとき、集合するように呼ばれたスタッフたちがダラダラと集まったりするような光景を見ると、本当に信じられない気持ちになる。お客さまを待たせないように、サッと集合するほうが良いことぐらいわかるだろう。撮影することが最初からわかっているなら、事前に確認しておけばいいだけのことだ。
「陳さんと撮りたいから、一枚お願いします」とお客さまにカメラを渡されたスタッフが、「それでは撮りますよ」の一言もなく、ぶっきらぼうにシャッターを押す。これも僕からするとありえないこと。笑顔で対応し、デジカメで撮影した画面を確認して、「きれいに撮れていますよ」と添えてお返しする。これぐらいのことが、自然にできなければいけないだろう。そんな当たり前のことすらできていないところが、結構あるから驚く。
『「段取り」の鉄人』より引用
調理なら調理、サービスならサービス、フロントなら予約受付だけという具合に、自分の担当する分野の仕事だけを仕事だと思っている人がいます。
私からみたらとんでもないことです。そういう社員がいたら、お客さまにお役に立つことなら進んでお手伝いするように、と叱ります。
陳さんの例示のように、だらだらした態度やぶっきらぼうな対応は、かえってお客さまを不快な気分にさせてしまいます。いやいやながらやる人にはやってほしくない、と誰もが思うことでしょう。
やらない方がお客さまのためだった・・・・・・ということにもなりかねません。
本当はそこまで含めてすべてが仕事です。仕事ができるかどうかというより、生き方の問題ともいえます。
走ったり微笑んだりすることまで面倒くさがるなんてとんでもないことです。お役に立とうという気持ちがあるかどうか、やるかどうかだけです。
うちの従業員にダラダラしている者がいたら本当に申し訳ないことです。厳しく教育したいことです。

参考文献:『「段取り」の鉄人』 陳建一 (東洋経済新報社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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