平木啓一さんのご著書『金融乱世のサバイバル・バイブル アンティーク・コインで資産を防衛せよ』を拝読いたしました。
平木さんは1942年愛知県生まれです。慶応義塾大学に在学中から世界のコインに興味をもち、研究を始めたそうです。その後、会社勤務や海外滞在などを経て、1986年から作家活動を続けておられ、柘植久慶のペンネームで270作以上の作品があるそうです。
金の価格が上がったからでしょうか。インフレ懸念が払拭されないからでしょうか。コインに注目が集まっているようですね。私にとっては今年になってから二冊目のコインの本です。
参考ブログ:『カネはアンティークコインにぶちこめ!』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1013488.html
この本の題名には「資産を防衛せよ」との文言がありますね。まえがきでは次のようの述べられています。
私はこれまで仕事を大きく変えたとき、その都度しばらくだが無収入状態に陥った。それが少なくとも三度-正確には二度半あった。そのとき持っていたコインを小出しに売り、じっくりと機会を待ったのだ。もし他の資産だとしたら、二進も三進もゆかなくなったに違いない。
『アンティーク・コインで資産を防衛せよ』より引用
ここだけ読んでしまうと、あたかも運用の話が書いてあるように思ってしまいますが、内容のほとんどは国別、個別のコインの歴史や価格の推移などの話です。
コインがお好きでよく研究されているということが分かります。
私はコインは一枚も持っていませんが、コインを収集されている方の楽しみは理解できました。
コレクターの世界には、自分の専門とする分野の一枚について、三〇分その来歴を語って聴かせろ、という鉄則がある。これはそれほどまでに精通せねば一人前ではない、との意味を有している。
そうなると自分がその国に興味を抱いた契機、あるいは入手した経緯だけだと、せいぜい半分までしか到達しない。
そこでものを言ってくるのが、その歴史的背景だ。
『アンティーク・コインで資産を防衛せよ』より引用
一枚のコインをより大切にするには歴史の勉強も必要というわけです。
集めたものを手元において眺めるのは楽しいのでしょうね。
コインの写真も多数掲載されています。ご興味のある方はご参考になさってください。

参考文献:『金融乱世のサバイバル・バイブル アンティーク・コインで資産を防衛せよ』
平木敬一 (PHP研究所)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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