いまこれに手をつけるか

2012年10月14日

 ドラッカーの『経営者の条件』第5章「最も重要なことに集中せよ」142pより引用します。

 集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか」を問うことである。答えが無条件のイエスでないかぎり、やめるか大幅に縮小すべきである。もはや生産的でなくなった過去のもののために資源を投じてはならない。第一級の資源、特に人の強みという希少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない。
 
               P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用


 厳しい指摘です。

 「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか?」

 という質問に対して、

 「うーん・・・・・・」

 と考えてしまうようだったら、やめるか、大幅に縮小だというのですから。

 金利が低い状態が長く続いていますから、投資収益率のことはあまりいわれません。

 もしもの話ですが、預金金利が5%くらいあったとしたらどうでしょうか?

 投資の効率だけを考えるのなら、その会社が、つぎ込んだ金額の5%以上の利益を出していないのなら、会社を清算してそのお金をすべて銀行預金にしたほうが効率がよい、ということになります。

 企業であるならば、明日の機会に向いているべきです。

 社員たちが食べていければいい、このまま何もなければよい、というのは耳触りはいいですが、非常に甘い考えだ、ということになります。

  


 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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