ドラッカーの『経営者の条件』第3章「どのような貢献ができるか」91pより引用します。
ゼネラリストについての意味ある唯一の定義は、「自らの知識を知識の全領域に正しく位置づけられる人」である。いくつかの複数の専門領域について知識をもつ専門家もいる。だがたとえ複数の専門領域をもっていてもゼネラリストとはいえない。単に、いくつかの専門領域のスペシャリストであるにすぎない。たと三つの領域に通じていても、一つにしか通じていない人と同じように偏狭でありうる。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用
私が社会人になった1990年ころは、同僚たちと、ビジネスパーソンとしてゼネラリストであるべきなのか、スペシャリストであるべきなのか、という議論をしていたように思います。
証券会社では、店舗の営業系の人はゼネラリストとみられ、本部で企業の資金調達を行ったり、企業調査をしたりしている人たちはスペシャリストとみられていました。
当時の日本の大企業にはいろいろな部署を回らされてなんでもやるゼネラリスト的な人が圧倒的に多かったのですが、そのままで生き残っていけるのか?という話でした。
ドラッカーのゼネラリストの定義は、私が考えていたゼネラリストとは全く違うものです。
この本の旧訳は1966年に出版されていたのですが、読んでいませんでした。
ゼネラリストが是か非かという考え方は、いまや話題にあがらなくなりました。
あの議論も無意味でした。

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ドラッカー