ドラッカーの『プロフェッショナルの条件』Part5 3章「何によって憶えられたいか」228pより引用します。
自らを成果をあげる存在にできるのは、自らだけである。他の人ではない。したがって、まず果たすべき責任は、自らの最高のものを引き出すことである。それが自分のためである。人は、自らがもつものでしか仕事ができない。
しかも人に信頼され、協力を得るには、自らが最高の成果をあげていくしかない。ばかな上司、ばかな役員、役に立たない部下についてこぼしても、最高の成果はあがらない。障害になっていること、変えるべきことを体系的に知るために、仕事のうえでたがいに依存関係にある人たちと話をするのも、自らの仕事であり、責任である。
『プロフェッショナルの条件』より引用
いらいらして思わず、仕事のできない上司、同僚、部下の愚痴がこぼれてしまうときがあるかもしれません。
そう思うのも最高の成果を引き出したい、と思っているからです。
他人を変えていくのは簡単なことではありませんが、ドラッカーは依存関係にある人たちと話をするのも、最高の成果をあげるための自分の責任だといっています。
現実的には、話をしてもすぐには変わらないことがあるかもしれませんが、粘り強く努力をしていきます。
もしも、10回話しても理解されなかったり、行動が変わらないのなら、その会社の理念にあっていない人なのかもしれません。
そのときは次の策を考えます。
大変、手のかかる仕事です。
こうやって仕事を通じて人間を成長させることができるのは、企業という組織だからだと思います。
会社の理念を達成するためには、だめなことはだめといって、部下に嫌わるようなことでもやるしかありません。(もちろん、法的、倫理的に正しい範囲内で、です。)
通りがかりの他人を変えることはできませんが、社内にいる他人は変えることができるのです。
いろいろな衝突がありながらもそれを修正しながら前へ進める企業という存在は素晴らしいですね。
企業で働けて本当にありがたいことです。

参考文献:『プロフェッショナルの条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(編訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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