『迷い婚と悟り婚』によれば、島田雅彦さんは墓地で奥さまをナンパしたのだそうです。
そういうことも関係しているのかどうか「結婚相手の選び方として、もっとも理想的なのは、実は一目惚れなのだ。」と島田さんは述べています。
この本の中で私が納得したのは次の文章です。
結婚相手を選ぶ時、打算が働くのは多くの場合「私はこの人といっしょになって幸せになれるのか」ということであろう。ただ結婚は幸せになるための手段ではない、ということを肝に銘じなければならない。幸せになれるかどうかは誰もわからないからだ。
『迷い婚と悟り婚』より引用
選んで選び抜いた結婚相手とうまくいかないという話はよく聞きますし、逆に軽く決めてしまった相手といつまでも仲がよいという話も聞きます。
私は結婚して10年も経たないうちに妻が亡くなるということを経験しました。結婚して幸せな人生を送ろうという若いころの夢が壊れた今は「結婚=幸せ、ではない」ということは分かるのです。
だからといって、いまの状態が不幸だとも思いません。
結婚が幸せだというのは、世の中の決めたイメージであって、結婚は幸せに近い、とまではいえます。
あとは自分がどう感じるかです。いま不幸せと感じている人は誰と結婚しても同じように感じるのではないですか。
こういう考え方がができれば夫婦間のいさかいも少しは減るのではないか、と思います。
島田さんは続けて次のように述べています。
結婚と幸せをいっしょくたに考えてはいけない。結婚の目的は、自然の摂理に従えばより良い子孫を残すことである。結婚に幸せがついてくるのは単なる結果論と考えなくてはならない。あくまでも結婚生活が吉と出るか、凶と出るかは、始めてみなければわからない。
『迷い婚と悟り婚』より引用
一組でも多くの皆さまが結婚をして、そして幸せになって頂きたい、と考えております。

参考文献:『迷い婚と悟り婚』 島田雅彦 (PHP新書)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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