小宮一慶さんの『社長の教科書』より引用いたします。
実は、「お客さま第一」をそこそこやっているのに、倒産する会社があるのです。この事実は、長年、経営コンサルタントとしての私の悩みでした。経営において、特に今のような供給過剰の時代においては、「お客さま第一」を実践しない限り会社はうまくいきません。ところが、それをやっているのにうまくいかない会社があります。そこそこまでは売上も伸びるのです。ただ、それが続きません。場合によっては倒産します。
その理由が、最近やっと分かりました。「お客さま第一」を儲けるための「手段」にしている会社と、「お客さま第一」そのものを目的としている会社の差なのです。
小宮一慶著『社長の教科書』より引用
このお話は小宮さんの御講演でもよく出てきます。
「お客さま第一」とは耳触りのよい言葉ですし、言うだけなら簡単です。
しかし、実行していくのは本当に大変なことです。
「お客さま第一」を利益を上げるための方便とするのではなく、純粋に目的として経営をするのです。
そのためには、利益をどう確保するか、他のお客様との関係をどう保つか、社員の仕事をどう効果的にするか、などいろいろな問題が出てきます。
その問題を解決することができなければ、お客さまに認めて頂くことはできないでしょう。
「お客さま第一」を貫く姿勢が求められているのだと思います。
当社は至らぬ点がまだ多いですから、いっそう努力してまいります。

参考文献:『社長の教科書』 小宮一慶 (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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