顔を合わせて相談すること

2012年06月07日

 昨今では、同じ会社の同じ部屋で背中合わせの席で働いていも、直接会話することを避けて、メールやチャット機能で連絡し合うことがあるそうです。
 チャットの場合は会話のピンポンが結構続くのだ、と友人から聞いたことがあります。

 今から20年前、私がある大企業に勤めていたときには、同じ部屋の遠くの方にいる同僚に社内電話をかけて面白がっていました。少しだけ似ていますか・・・・・・

 判断の必要のない、ただの連絡事項ならばメールで流した方が記録が残るのでよいと思うのですが、相談や判断の必要な事項は直接話してほしいと思います。

 ドラッカーは『明日を支配するもの』第3章より引用します。
 
 もちろん、実際に顔を合わせることも重要になる。情報の多さをもってしても、顔を合わせないことを補うことはできない。顔を合わせることは、ますます必要になる。互いに何が期待できるかを、肌で知っていることが必要である。互いの行動パターンを知っていることが必要である。信頼しあっていることが必要である。つまるところ、体系的な情報、とくに変化についての体系的な情報を共有することが必要であるとともに、顔を合わせ、知り合い、理解しあうことが必要である。

                    『明日を支配するもの』より引用


 うちの会社でも、メールだけで連絡を取り合っていると、関係が殺伐となっていくのを感じます。
 
 社員にメールを返信する場合、いちいちやさしい言葉で丁寧に書けるわけではありませんし、意味の理解できない文章もありますから、短文でドライに指摘しまうことになります。そうなれば、社員は私が怒っていると感じるでしょう。

 社員から、イエス・ノーで答えられない、長文の答えになりそうな難しい質問をメールで投げかけてこられるのも困ります。そういう質問をする人は相手に対しての配慮が足りないように思います。

 「相談にきてください。」という返事になってしまいます。

 忙しい相手に時間をとってもらうのが悪いからと遠慮の気持ちでメールを送ったとしても、それがかえって相手に迷惑になってしまうこともあるのです。難しい問題は「赫赫云云という問題がありますので、ご相談に伺いたい。」というメールにするのがよいでしょう。

 どういう情報網が発明されようが、最終的には顔を合わせて相談するということは変わらないと思います。

  


 参考文献: 『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』
            P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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