『やすらかな死を迎えるためにしておくべきこと』を読んで
大野竜三さんのご著書『やすらかな死を迎えるためにしておくべきこと リビングウィルのすすめ』を拝読いたしました。
大野竜三さんは1940年生まれ、浜松医科大学第三内科教授、愛知県がんセンター総長、愛知淑徳大学医療福祉学部教授などを務められた医師で、白血病の薬物療法をご専門とされているそうです。
40歳代の私が読むには少し早すぎるような本ですが、私は家族の最期をみとったこともあり、興味があったので読んでみることにしました。
いまの日本の医療は尊厳ある命を出来る限り維持することを至上命令としています。法律的にもそうですし、医師や看護師もそのように教育されていますので、本人に意思表示ができない場合、体中がチューブでつながれた姿を見かねた家族が延命治療の中止を希望したとしても、簡単には実行することは出来ないのだそうです。
もしも実行してしまうと犯罪になってしまうこともあり、実際に起こった裁判の判例も紹介されていました。
ただし、無意味な延命治療を止めることのできる、たった一つだけの例外があります。それは患者さん自身が延命治療の中止を希望され、その意思を表明されている場合です。
これが、本文で詳しく説明するリビング・ウィルといわれるものです。
『やすらかな死を迎えるためにしておくべきこと』より引用
ただむやみに延命治療をやめるということではありません。また一つの家族にはさまざまな想いがあるはずです。どう生きるかはあくまでもご本人が決めることです。詳しくはこの本を読んで頂きたいと思います。巻末には付録としてリビング・ウィルの例文も掲載されていて分かりやすいです。
この本の前半は、がんにならない生活習慣やピン・ピン・コロリと安らかに死を迎えるための生活習慣について解説されています。こちらは若い方が読んでも大変参考になるものです。
ピン・ピン・コロリのために実践すべき生活習慣は16項目あります。一部をご紹介します。
1.たばこを吸わない。
2.お酒もなるべく飲まない。
3.適正な体重を維持する。肥満はダメ。
4.運動や散歩をして身体を動かす。
5.塩分や塩蔵物を控える。
6.脂肪や油を控える。
7.牛肉、豚肉、羊肉は控える。
8.野菜や果物を豊富に摂る。
(続く)
『やすらかな死を迎えるためにしておくべきこと』より引用
これと比べると、私のいまの生活はかなりまずいですね・・・・・・
長寿で有名な佐久市にはぴんころ地蔵も建立されているそうです。
実は別の医師の講演会ではピン・ピン・コロリについて否定的な意見も聞いたことがあります。いろいろな考え方があるようです。
昔、私の親から、もしも意識不明になったとしても延命治療はしないでくれ、と言われたことがあります。
この本を渡してもう一度考えてもらおうと思います。
私自身についてのいまの結論は「リビング・ウィルは書いておきたい」というものです。
参考文献:
『やすらかな死を迎えるためにしておくべきこと リビング・ウィルのすすめ』
大野竜三 (PHP新書)
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