『希望のしくみ』を読んで
アルボムッレ・スマナサーラさんと養老孟司さんの対談集『希望のしくみ』を拝読いたしました。
この本は3月21日に行われる第15回ビジネス読書会の課題図書です。会員のAさんが選定してくださいました。
アルボムッレ・スマナサーラさんは1945年スリランカ生まれで、スリランカ初期仏教界、日本テ―ラワーダ仏教協会長老として活躍されている方です。
一方、養老孟司さんは東大名誉教授、解剖学者で『バカの壁』の著者として大変有名な方ですね。
この対談は日本の仏教や日本人について批判的に語られています。私にとって耳の痛い部分がいくつかありました。読書会でみなさまと議論したいと思います。
いま日本の仏教はいくつもの宗派に分かれていますが、もともとはお釈迦様の教えで一つのものでした。
スマナサーラ (前略)むしろ「お釈迦さまの説かれた教えを信じて実践する」と言ったほうが正しいですね。
それに、そもそもお釈迦さまは、信仰には断固として反対していたんですよ。私を拝んでどうなるのかと。
-どうして信仰に反対なのですか?
スマナサーラ お釈迦さまが説いたのは、「真理」です。真理は、誰が語っても、いつの時代でも変わらないものです。お釈迦さまは真理を提示して、「自分で調べなさい、確かめなさい、研究しなさい」という態度で教えたんです。「私を信じなさい」とは、まったく言っていません。
『希望のしくみ』より引用
私もいろいろな本を読んで日本の仏教を学びましたけれども、この話はよく分かりました。
仏教界の方ですから仏教をひいき目で見るのは仕方ないと思いますが、一神教である他の宗教との大きな違いです。
スマナサーラさんは「仏教が宗教かどうかはっきりしない」とまで述べています。
信仰をおもちの方は視野が狭くならないようにこの本を読んだ方がよいと思います。
どうぞご参考になさってください。
参考文献:『希望のしくみ』
アルボムッレ・スマナサーラ 養老孟司 (宝島社)
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