スキーマを育てる

Hitoshi Yonezu

2012年02月14日 10:00

 昨日のブログでご紹介した小山龍介さんの『IDEA HACKS! 2.0』。

 スキルに頼るのではなく、社会へ貢献をして場を豊かにすることが自分を豊かにすること・・・・・・と「はじめに」に書いてありましたが、私にとってはスキルともいえるたくさんの情報がこの本に詰まっていていました。

 認知心理学の「スキーマ」という考え方。これは情報を認知するときに使う思考の枠組みのことで、この枠組みに一致する情報を人は認知することができるのだそうです。

 例として、銀座の街を、どこで飲もうかとぶらぶら歩くおじさんサラリーマンのスキーマで歩くと、自然と飲み屋さんの看板が目に入ります。
 ファッション関係の仕事をしている女性はブランドショップのディスプレイが目に入り、今年の流行の色などが目に入ってきます。
 まったく同じものを見ていても、入ってくる情報が異なるのは、発動させているスキーマが異なるからなのだそうです。 

 豊かなスキーマをもっていれば世の中がもっと見えてくるはずです。

 スキーマを身につけるには時間がかかります。アートの学習のように長年をかけて進めていくことになります。それには三つのプロセスがあるそうです。

 ①スキーマを確認するためにアウトプットする

 ②他人のアウトプットを見て、自分にフィードバックする

 ③一度経験したら忘れられないアハ!体験を繰り返す

            『IDEA HACKS! 2.0』より引用


 ②に関しては読書会が有効だそうです。

 仲間との読書会が有効なのは、自分の読書のレベルを、他人と比較することによって把握できるという点です。本からどのようなものを得るかは、その人のスキーマの豊かさにかかってきます。
 スキーマが乏しいと、その本の情報をキャッチできずに、「つまらない本だな」と放り投げてしまうことにもなるでしょう。そうならないように、スキーマの豊かな人と一緒に読書するのです。そうすれば、自分のスキーマの貧しさが認識できます。

               『IDEA HACKS! 2.0』より引用



 確かに、読書会で感想をシェアしていると、ときに全然違うところに感動している仲間がいて不思議に思うことがあったり、逆に自分だけが異なった感触をもっていて自分の読み方がおかしいんではないか?と控えてしまったりすることもありました。

 スキーマの考え方からしたら、これこそがスキーマを豊かにする読書会ですよね!

 目の付けどころが異なるからこそ読書会の意味があるのです。

 最近は別のテーマを絞った読書会に誘われたり、若者が集まって読書会ができる面白い場所を教えてもらったり、スキーマが広がりそうなチャンスが増えてきました。

 他にもスキーマを豊かにする方法がたくさん紹介されています。カメラ一つでもスキーマが豊かになるんですよ。

 みなさまもどうぞご参考になさってください。

 (風邪がようやく治りそうです。今頂いている風邪薬を飲むとどうやら肩がむずむずするようです。)

  

 
 参考:『IDEA HACKS! 2.0』 小山龍介/原尻淳一 (東洋経済新報社)
 

 参考ブログ:
 『IDEA HACKS! 2.0』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e944510.html

 『クラウドHACKS!』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e732619.html

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