東京の中古ワンルームマンションの状況

Hitoshi Yonezu

2012年01月09日 10:00

 重吉勉さんのご著書『中古ワンルームは「東京23区」を買いなさい!』を拝読いたしました。

 それによりますと、東京23区では近隣住民とのごみ出しや騒音をめぐるトラブルや、若年層の増加が人口構成をいびつになどの理由から、新築ワンルームマンションを規制する条例が制定されているそうです。
 
 例えば、豊島区では一定条件を満たして建てられた新築ワンルームマンションでは、1戸あたり50万円の税金が課せらますし、中央区では戸数10戸以上の場合、40㎡以上の住戸の合計面積が全体の3分の1以上なければならないですし、世田谷区では一定条件を満たして建築されたワンルームマンションでは、30戸を超える2分の1以上は50平米以上の住戸を併設しなくてはならないそうです。
 
 東京23区のすべてにこのようなワンルームマンションの規制がかけられているそうです。

 首都圏分譲ワンルームマンションの累計数は年々増えていますが、供給戸数の推移を見ますと、バブル期の1990年の最盛期には年間16,000戸が供給されていたものが、2010年には4583戸と4分の1程度に減少しています。

 これはご紹介した規制の問題と単身世帯が好むエリアの土地が出てこないという供給の問題も影響しているそうで、今後も減少傾向にあるだろうということです。

 私はバブル期に大学時代を過ごし、その後社会人になってからは金融系の仕事に携わっていたので、少し事情が分かるのですが、あの頃は何の変哲もないワンルームマンションにとんでもない価格がつけられていました。そもそも土地の価格が高かったので仕方なかったのですね。

 いまはおおよそ適正な価格が形成されているものと思いますが、当時と比べれば学生数は減っていますし、生活も質素でしょうから、いまはワンルームマンションに求めるものの形が違っているのだろうと思います。

 私はこの本を読みながら、バブル当時に遭遇したいろいろな不動産やその取引のことを思い出しておりました。

 基本的には不動産賃貸管理会社を経営する社長が中古ワンルームマンションの投資をすすめる本です。

 ご興味のある方はご一読ください。

 
 
 参考文献:『中古ワンルームは「東京23区」を買いなさい!』 重吉勉 (かんき出版)
 


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