奇跡なんてない

Hitoshi Yonezu

2011年11月30日 10:00

 ヨシダソースの吉田潤喜会長は、ソースの商売をすると決めると、販売場所を確保するために、地元のグローサリー(食料品店)をまわって、デモ(実演販売)をされていたそうです。 

 テンガロンハットに着物、下駄というとにかく目立つ格好で、お客さまがくすくす笑ってしまうような楽しい口上を唱えながら、目の前で焼いたソースの絡んだチキンを食べてもらったのです。
 試食をしてくれた方の7割は買ってくれました。5回も試食をして買わなかったお客さんには駐車場まで追いかけて買ってもらったそうです。

 やがてこの姿が有名になると、日系人社会から、着物で商売をして日本の伝統を踏みにじるはしたない奴がいる、という陰口をたたかれるようになりました。
 吉田さんはそれを聞いて控え目になるどころかますますヒートアップし、エルビス・プレスリーや、ピンクのチュチュを着てバレリーナになって販売したのだそうです。

 吉田さんは「奇跡」はない、といいます。

 僕自身、今までの人生を振り返って、奇跡だと思える出来事はひとつもないと断言できる。思いがけない結果を招くことはあるけれど、それだって奇跡とは呼べない。死に物狂いでやってきた自負は常にあるし、だからこそ手に入れた結果だと思っている。

   『無一文から億万長者となりアメリカンドリームをかなえたヨシダソース創業者ビジネス7つの法則』より引用

 
 ゼロからスタートして大きな形をつくった吉田さんの力強い言葉です。

 慣習にとらわれず人の目を気にせず、よいと思ったこと、やると決めたことを着々と進めるのがよいのだと思います。

 

 参考文献:
 『無一文から億万長者となりアメリカンドリームをかなえたヨシダソース創業者ビジネス7つの法則』
         吉田潤喜 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 
 

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