『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』を読んで
橘玲さんの著した講談社+α新書『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』を読みました。
この本は2008年3月にダイヤモンド社から刊行された同名の書籍に加筆修正をして文庫本にしたものです。2011年10月に第一刷が発行されています。
私は金融や投資や経済の本を好んで読みます。経済の環境を理解して間接的に仕事に役立てるという一面もありますが、基本的には単に興味があるからです。若いころ証券会社に勤務していたことがあり、その頃からの習慣のようなものです。
この本で橘玲さんは、投資の基本法則を三つ挙げておられます。
投資の基本法則①
金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、全資産を株式に投資すべきである。
投資の基本法則②
金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、投資にはレバレッジをかけるべきである。
投資の基本法則③
金融資産に比べて人的資本が圧倒的に大きい場合、全資産を海外資産で保有すべきである。
『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』より引用
大富豪はリアルな資産をもっていますが、われわれ一般人には人的資本というヴァーチャルな資産しかありません。
人的資本をうまく運用していくことでしか大富豪には対抗できない、ということです。
人的資本しかもたない人に対してこの基本法則は暴論で、リスクが高すぎるのではないか、と感じてしまいますが、この法則が導かれた理由を読むと、意外に納得できるのです。
たとえば①を簡単に説明しますと、定期的に給料を得ることにできる会社員は、人的資本から一定の割合で配当を得ている債券運用と同じように考えることができるから、その給料(配当)からさらに債券投資をする必要があるのか、という考え方です。
投資は投機になってしまっては意味がありません。ばくちとは全く違うものです。
投資についてはいろいろな本を読んで自分の考え方をまとめるのがよいと思います。この分野を敬遠される方もおられますが、経営者の方は少しでも知っておいた方がよいのではないか、と思っています。
この本にはさまざまな情報がつまっており、普通とは違った見方を教えてくれます。どうぞご参考になさってください。
参考文献:『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』 橘玲 (講談社+α新書)
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