心配すると

Hitoshi Yonezu

2011年11月02日 10:00

 白取春彦さんの『頭がよくなる思考術』の「心配は悪と心得よ」の章より引用します。

 悪いことをあれこれと想像して、いったい何になるだろうか。心配することは相手を助けることではないのだ。
 しかし心配する人は、自分が心配するというそのことだけで、相手のために何かとても必要な世話を焼いているというふうに思い込んでいるのである。
 心配がまるで実際の心配りであるかのように大きな勘違いをしている。しかし、実際は自分の妄想と遊んでいるだけの人間である。

            白取春彦著 『頭がよくなる思考術』より引用


 他人のためにいつもいろいろなことを心配している心やさしい方には手厳しい指摘ですね。

 この文章はまだ続くのですが、私はこの章を読んで軽い衝撃を受けました。他人のために心配していたことは何だったのだろうなあ、と思ったのです。

 しかし、白取さんの文章を読むと、それもそうだなあ・・・と納得できるのです。

 いくら心配をしても現実の状況は何も変わらないし、悪いことを考えれば考えるほど、自分が疲れるだけです。

 心配される側の立場から考えると、同情してくださって一緒に考え、励ましてくださるのは本当にありがたいですが、それもそこまでであって、最後まで解決しなくてはいけないのはあくまでも自分です。

 あまりにも心配されると、ますます悪いところへ陥ってしまうのではないかと、もっと心配になってしまいます。
 
 私には経験がありますが、心配して言ってもらったちょっとした一言で傷つき、悪いイメージとして心にずっと残ってしまうということもあります。

 「心配するならカネをくれ」というフレーズが流行ったことがありましたが、心配するなら励ましたり、解決策を提示したりして、あとは次の展開を静かに待つ方がよいですね。
 
 

 参考文献:『頭がよくなる思考術』 白取春彦 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 

 参考ブログ:
 「『頭がよくなる思考術』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e846795.html
 
 「他人の思惑」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e847566.html

 「雑用は丁寧に」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e847812.html

 「やさしさをもって読む」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e857182.html

 「感情に酔わない」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e858836.html

 「果てのない欲望」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e859883.html
 

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