果てのない欲望

Hitoshi Yonezu

2011年10月28日 10:00

 白取春彦さんの『頭がよくなる思考術』は、当たり前なんだけれどもなかなか気がつかないことがズバッと書かれていて、大変興味深い本です。

 多くの人の悩み・苦しみは欲望から来ている。どういう欲望か。他人が欲しがっているものを欲しがるという欲望である。

 (中略)

 多くの人が欲しがるそれらのものをあなたも追うならば、悩みと苦しみはずっとつきまとうことになる。なぜなら、どれだけ多く得たとしてもまだ足りないし、他人の欲望は変転を重ねてとどまるところがないからである。

 (中略)

 すでに価値が定められたものがそこに存在していて、誰かがそれを得るわけではない。忘れてはならない。なにかに価値を与えるのは常にあなたなのである。他人ではない。

            白取春彦著 『頭がよくなる思考術』より引用


 子どもの頃は、他人の欲しがるものを欲しいと思っていました。

 小学生の頃なら、友達のもっていたおもちゃやプラモデル、中学生になるとかっこいい学生服や洋服、高校生になったらかわいい彼女・・・

 子どもだけの話かと思えば、大人になった今でも、我々は他人の欲しがるものを追い続けてしまうのです。

 特定のものが売れるという流行は、まさに他人の欲しがるものを欲しがった結果ですし、仲間の中のオピニオンリーダーがもっているものと同じものを欲しがる傾向は大人になっても変わりません。

 ベンツ、ヴィトン、ロレックス、香水、高いお酒、高級な料理、リゾート・・・・・・

 これら一つ一つのものは大変素晴らしいものですが、他人が欲しがっているから価値があるのではないのです。

 そのものに価値を見いだして、これはお金をかけても手に入れたい、と決断するのは自分であるべきです。

 そういう判断がないままにただ見栄のために欲しいものを手に入れようとしたら、世の中に流されるだけになってしまうでしょう。

 私はブランドものに興味がないですし、お金もないので、ヴィトンもロレックスももっていませんが、もしもよく研究してそこに価値を見いだしたなら、購入したいと思います。

 あまり難しい話ではありませんね。大人になったら自分の本当に欲しいものは何なのか、他人が欲しがっているから自分も欲しがっているのではないか、よく考えたほうがよいね、という話です。

 

 参考文献:『頭がよくなる思考術』 白取春彦 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 

 参考ブログ:
 「『頭がよくなる思考術』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e846795.html
 
 「他人の思惑」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e847566.html

 「雑用は丁寧に」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e847812.html

 「やさしさをもって読む」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e857182.html

 「感情に酔わない」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e858836.html
 

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