『頭がよくなる思考術』を読んで
長野駅前の平安堂書店の4階に、『頭がよくなる思考術』という本が平積みされていました。
聞いたことのなかった本ですが、平積みされているからには売れているのだろうと思って発行日を見てみると、2005年10月に第1刷が出ていて、2011年9月にはもう第14刷になっていました。
著者の白取春彦さんのプロフィールを見ると、簡潔な内容で分かりずらかったのですが、哲学や宗教についての文筆業をされている方のようです。あの話題になった『超訳ニーチェの言葉』の著者でもあるのですね。
この本は『頭がよくなる思考術』という名前がついていますが、頭がよくなるノウハウ本ではありません。迷わずにすっきりと生きるための考え方を教えてくれる本です。哲学の本というべきか。あまりにも軽々しい題名で損をしているのではないでしょうか。
一つの節は短く、非常に分かりやすく書かれていますし、薄い本なので、非常に読みやすいです。
私はこの本からいくつかの気付きを得ました。
「18 言葉に惑わされるな」という説より引用します。
もっとも重要で意味が深い言葉「愛」においても幽霊を見ている人が少なくない。たとえば「愛している」と口に出して言うことが愛することではないのだ。それすらも明確になっていないから、欲望や執着を愛だと思ってしまっている。そこから始まるのは、古代ギリシア劇と同じく、果てしない迷走や悲劇である。
白取春彦著 『頭がよくなる思考術』より引用
頭ではわかっているのに言葉で表すのが難しいことを、白取さんは上手に言葉にして説明してくださっています。
繰り返し読みたい本です。
参考文献:
『頭がよくなる思考術』 白取春彦 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
『超訳ニーチェの言葉』 白取春彦 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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