『起死回生のマネー術』を読んで
『起死回生のマネー術』は、経済アナリストで獨協大学教授の森永卓郎さんが、震災後の日本で生き抜くためにお金に関するいろいろなアイデアを伝授してくれる本です。
チャプター1は日本経済についての森永さんの考え方、チャプター2から5までが投資、利殖、節約などについての具体的なノウハウ、最後のチャプターは番外編として地震対策の方法が書かれています。
森永さんは、このままの世論で国民が増税を認めると、復興特需が落ち着いた2013年には日本経済が本格的なデフレになり、震災恐慌がやってくる可能性が極めて高い、と述べておられます。
森永さんの考える経済政策は、政府が復興債を50兆円発行し、その全額を日銀が買い取る方法です。
日銀による国債買い取りは、国債の暴落やハイパーインフレを引き起こす懸念があるといわれていますが、それらは杞憂だといいます。
その理由は、日銀が国債を買い取れば債券市場に出回らないために価格は下がらないし、いまデフレなので50兆円くらいならせいぜい2~3%程度のインフレだろう、というものです。
復興債や増税についてはさまざまな意見がありますから、自分でよく整理したいと思います。
参考ブログ:
『大震災後の日本経済』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e829658.html
藤巻健史さんの『マネー避難』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e792325.html
『2012年、日本経済は大崩壊する!』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e790238.html
投資については、自分で株式を選んで分散投資ができない人は、インデックス投信をコツコツと積み立てていくことを推奨しておられます。これは前にご紹介した『ほったらかし投資術』で薦めていた内容と同じことです。
参考ブログ:「『ほったらかし投資術』を読んで」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e841542.html
おもしろかったのは、教育費の節約です。
子どもの頭の出来具合は小学校や中学校に入学した段階でわかるはず。あえて目安とするなら、公立学校の場合、少なくともクラスのベスト3に入っていなければ、東大、早慶は厳しいです。
『起死回生のマネー術』より引用
要するに、有名大学への合格が難しいと分かれば受験に費用はかけないで、その分をお金の備蓄に回した方がよい、という論理です。
本人ががんばっていたら、実際には難しいことですよね。森永さんらしいドライな考え方だなあと思いました。
その他にも保険やローンやマンションのことなど、少しでもお得に生活するための方法がたくさん紹介されています。
森永さんは上手に稼ぎ、節約する天才ですね。
それぞれの家計でお役に立つことがあるかもしれません。どうぞご参考になさってください。
参考文献:『起死回生のマネー術』 森永卓郎 (マガジンハウス)
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