安定など存在しない

Hitoshi Yonezu

2011年09月30日 10:00

 「アメリカの傘下に入っている外国を見ろ。安全を保障されているほうがずっといい」。だれもがそう言うし、私自身ときどき口にしたこともあった。けれども安全保障あるいは保証でもよいが、そのようなものは賢い人間ならどこにもないことを知っているはずだ。
 チャンスはある。しかし保証はない、と考えること。だから「保証」などという言葉は今すぐ捨て去るべきである。生きているかぎり安全無事であるはずはない。危険がないのは、もう死んでいる人間か、まだ生まれていない人間だけである。生きていくかぎり、人生はどうなるかわからないのである。

       『人間は自分が考えているような人間になる!!』より引用 

  
 冒頭の一文は、日本のことを言っているんじゃないか・・・・・・
  
 アメリカ人の書いた自己啓発の本の中に悪い例として日本のことが書かれているなんて、情けなくなりました。
 
 アメリカ人は、安全保障といってもこの程度にしか考えていないという証左です。

 話はずれてしまいました。日本のことはさておいて、アール・ナイチンゲールは、我々の人生にも安全などというものはないというのです。

 先日、東京某所のオフィスで外資系資産運用会社の社員の方と面談したとき、その方は、

 「前に勤めていた日系金融機関では、上司にどれだけ叱られようが、仕事で失敗しようがクビになるということを考えたことはなかったのですが、いまは景況や業績によってはクビになる可能性もあり、そういう心配をするようになりました。」
 
 とおっしゃっていました。

 しかし、日系の大会社が安全、といえるでしょうか。

 信頼度が高く安定していた会社が一夜にして奈落の底に落ちる、ということが珍しくなくなりました。

 安全を基準にして生きることの意味とは何でしょうか。

 中小企業の経営者は、ほとんどの方が安全という言葉の外に生きていますから、このような話は分かりやすいのです。

 どこの会社も楽ではありませんが、

 「大変だけど、がんばろう!」

 「慰め合うのではなくて、高め合おう!」

 という話をしています。

 信頼してくださっているお客さま、社員、社会のために、この不安定の中、楽しく前進せねばなりません。

 

 参考ブログ:
 「『人間は自分が考えているような人間になる!!』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e777084.html

 「給料の源泉」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e811367.html

 参考文献:『人間は自分が考えているような人間になる!!』 アール・ナイチンゲール (きこ書房)
 

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