『世界を知る力 日本創生編』を読んで

Hitoshi Yonezu

2011年08月31日 10:00

 寺島実郎さんの『世界を知る力』は2010年3月に、大変興味深い本として、このブログでご紹介しました。

 参考ブログ:「『世界を知る力』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e414196.html

 その『世界を知る力』の続編として、『世界を知る力 日本創生編』が出版されました。

 前著は大きな世界の歴史観から日本の進むべき方向をまとめたものですが、本書は震災後の日本の行方を主に精神的な面からまとめたものです。

 寺島さんは、5月に東本願寺で行われた「親鸞聖人七五〇回御遠忌纘仰講演会」の講師を務めたことをきっかけとして、親鸞について学び、その教えから日本人の魂の基軸を探っています。

 親鸞の興した浄土真宗の説く他力本願とは次のようなものだそうです。

 わたしたち衆生の浄土往生は、すべての衆生を救済するという誓い(本願)を達成せんとする阿弥陀仏(他力)の働きによってもたらされるのであって、わたしたち凡夫のはからい(自力)には左右されない。
 けっして、他の人にやってもらおうという話ではないのである。わたしたち人間は、あくまで阿弥陀仏が彼岸からの救済の手を差し伸べるのを待つしかない、そういう限界をもった存在にすぎないという峻厳な認識を述べた言葉なのだ。
          
                 『世界を知る力 日本創生編』より引用


 3.11の大震災を経験し、わたしたちは人間の無力さというものをまじまじと見せつけられました。

 人間の自力とは何にも影響を及ぼすことのできない、本当に小さなものだと、親鸞には分かっていたのだろうと思います。

 この本は前著『世界を知る力』とは趣きが違いますが、宗教の本ではありません。新しい気付きがいくつもありました。

 みなさまもぜひご参考になさってください。

 

 参考文献:『世界を知る力 日本創生編』 寺島実郎 (PHP新書)
 

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