心の道具化

Hitoshi Yonezu

2011年08月26日 10:00

 先日、いつも勉強会でお世話になっているN先生から、「心を道具化する」というお話を伺いました。

 人間の体を構成する分子は数年で入れ替わると聞いたことがありますが、もしそうだとしたら、自分の体は数年前の自分とはまったく異なった自分ということになります。

 自分を最も特徴的に表している顔も身体も洋服のようなもので、自分の本質ではないのです。

 では、心はどうか。

 怒ったり、泣いたり、妬んだり、怨んだり、喜んだり、心はいつもコロコロしています。

 そのような気分、心持ち、気持ちの表現が本当の自分かというと、そんなことはないでしょう。

 そのとき、その瞬間だけの自分であって、自分の本質ではないのです。

 いつも怒ってばかりいる人は、怒りっぽい人といわれるでしょうし、いつも恨んでいる人はそういう人だというレッテルを貼られてしまうでしょう。

 周りの人から感じが悪い、暗い、性格が悪いといわれる人や、人間関係にトラブルを抱えている人は、心をうまく使っていないのだ、とN先生はおっしゃいます。

 心の奥の奥に、本当の自分が存在していて、(それは魂なのか、霊魂なのか、分かりません。)そこに向かうべきなのです。

 もしそこにたどりつくことが出来ないのならば、自分は永遠に心に支配されたままでしょう。

 心に自分が支配されるのではなく、自分が心を支配して、心を道具化するべきなのです。

 世の中で起こっている気に食わないこと、自分にふりかかる災難をすべて他人のせいにすれば、そのときは心が治まるかもしれませんが、人生には何の変化も起こりません。

 一次的には心の動きがあり、動揺があるのは当然としても、その後からは本当の自分の出番です。

 何があろうとも、すべては自分が引き寄せてきたことだ、と考え、自分で責任をとろうという覚悟が必要だと思います。 

 

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