『[新訂]経営の行動指針』を読んで

Hitoshi Yonezu

2011年08月09日 10:00

 

 昨日の朝に咲きましたうちのハイビスカスです。この夏、二輪目です。今朝は開いておらず、閉じたままになっていました。

 明日にはもう落ちてしまうのでしょうかね・・・
 
 こんなに派手に咲いているのに、はかない命です。



 さて、『[新訂]経営の行動指針』は、石川島播磨工業、東京芝浦電気の社長を務め、経団連の会長としても活躍された土光敏夫さんの語録をまとめたものです。

 東京芝浦電気の社内報に「トップ指針抄」として掲載されたものだそうです。

 旧版は昭和45年発行といいますから、もう40年以上経っているということになります。

 土光さんといえば、鈴木善幸首相の第二次臨時行政調査会(臨調)の会長として活躍されていた姿を思い出します。バブルで世間が浮かれているときも、質素な生活を続け、「めざしの土光さん」と呼ばれていました。(40歳以上の人でないと記憶にないでしょうね・・・)

 懐かしくなったので、インターネットで臨調の内容を少し調べましたら、いまでもまだ同じようなことをくり返していたり、そのとき実現しておくべきだったことができていなかったりして、日本の政治は30年前からまったくかわっていないんだなあ、とがっかりしてしまいました。

 この本は見開き一話で百話が掲載されており、大変読みやすいです。

 一部には古いと感じる部分もありますが、経営に対する考え方はいま読んでもまったく古くなっておりません。むしろ今を先取りしていると感じられるような部分さえあります。

 五輪の書に曰く「観の目つよく、見の目よわく」と。見の目は、”遠き所を遠く見、近き所を近く見”て物事をあるがままに観の目に提供するだけだから、よわくでよい。観の目は、”遠き所を近く見、近き所を遠く見る”心眼のはたらきだから、つよくでなくてはならない。

              土光敏夫著 『[新訂]経営の行動指針』より引用


 大混乱のいまこそ、政治には「観の目つよく、見の目よわく」を求めたいですね。

 全編を通して読むと、ドラッカーのマネジメントを相当学んでおられるということも分かります。

 経営者の皆さまは土光さんの言葉をぜひご参考になさってください。
 
 

 参考文献:『[新訂]経営の行動指針』 土光敏夫 (産業能率大学出版部)
 

関連記事