不安感と危機感
ぼくは常日頃から会社というのは、何も努力せず、何の施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。常に危機感を持って会社経営することが正常なのである。「正常な危機感」とでも言おうか。
会社経営をしたことのない人は、危機感がなく順風満帆なことが正常だと勘違いしている。危機感を持ちながら経営しない限り、会社は継続しないし、「いつも危機」と考えて経営しないと維持や継続さえもできない。
危機感と不安とは全く違う。危機感を不安と勘違いしていたら会社経営はできない。
柳井正著 『成功は一日で捨て去れ』より引用
私は若いときには経営に大変不安感をもっていました。
経営のことがよく分かっていなくて、下手なので、お客さまにご迷惑をおかけしたり、社員をまとめられなかったりして、その結果、なかなか業績も上向きませんでした。
そういう意味では今でもあまり進歩がなく、力不足です。
ただ気持ちの中身は、不安ではなくて、危機感に変わりました。
会社勤めの友人からは「社長は大変だね」と同情してもらっていますが、自分としては若いころのような、大変だという感じはほとんどなくなり、何とか越えていくぞ、という気持ちになっています。
むしろ危機感をもてることは私の人生にとってありがたいことです。いろいろなことを経験出来るのは豊かな人生だと思うからです。
柳井さんのような立派な経営者も常に危機感をもって経営をしておられると知り、私ももっと頑張らねばと思いました。
参考文献:『成功は一日で捨て去れ』 柳井正 (新潮社)
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