柳井正さんの「一人ですべてやる」

Hitoshi Yonezu

2011年08月05日 10:00

 1972年、柳井正さんが故郷の宇部に戻り、ご尊父が経営していた二店舗の洋服屋さんに出るようになると、わずか一、二年のうちに、七人いた従業員が一人を残して辞めてしまったそうです。

 その理由は『柳井正の希望を持とう』に書いてありますが、いずれにしても、自分ともう一人しかいないのですから、商品の仕入れ、経理、販売、人の採用などすべてを一人でやらなければならなかったそうです。

 このとき店全体の体系を経験したことは大きな収穫になったそうです。

 『柳井正の希望を持とう』より引用します。

 一人でやるにあたって、私がまずやったことは、習慣のようになっていた日々の仕事を自分なりに分析して「文章化」したことだった。仕入れとはこういうことだ、販売とはこうだ、という具合に・・・・・・。そうやって整理して、自分の頭で理解し、少ない人数でもできるよう新しいルールを作っていった。若い女性社員を一人採用したこともあり、彼女に説明するために仕事を「目に見える形」にしたのだ。

                 『柳井正の希望を持とう』より引用  

 
 柳井さんは、頼る人がいなくなったことをきっかけに、何も知らない社員が入社しても、すぐに仕事を理解してもらえるよう、仕事を文章化し、わかりやすくしたわけです。

 仕事の「見える化」ですね。

 これこそ、マネジメントにおける仕組みづくり、体制づくりだ、と思いました。

 やることはシンプルなことですが、なかなか気がつくことではありませんし、実行するのも簡単ではないでしょう。

 二店舗に、たった二人の社員・・・・・・このときから、ユニクロの奇跡は始まったのです。

 

 参考文献:『柳井正の希望を持とう』 柳井正 (朝日新書)
 

 参考ブログ:「『柳井正の希望を持とう』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e772297.html

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