マクドナルドの商法
いまや世界のどこへ行っても食べることのできるマクドナルドハンバーガー。
子供たちはマクドナルドが大好きです。
私が小学生のころ、父は東京へ行った出張の帰りに、よく銀座のマクドナルド一号店でハンバーガーを買ってきてくれました。
私はそれがすごく楽しみでした。
二時間半も特急電車に揺られてくると、ハンバーガーはしなしなにふやけてしまっていましたし、かばんの中でつぶれていることもありましたけれど、私はケチャップの味が好きでした。兄弟で争って食べていたような気がします。
都会の子供たちはこういうものを食べているんだなあ・・・と、とてもうらやましく思いました。
その頃、父も母もハンバーガーは美味しいものとは思っていませんでしたし、これを食事だとはみなしていないようで、自分たちはほとんど食べていませんでした。本当は子供に食べさせるのも、健康にはよくないと考えているようでした。
日本マクドナルドの創業者である故藤田田(ふじたでん)さんの著書『勝てば官軍』は、いまから15年前、1996年に書かれたものです。次のような文章がありました。
これからの日本人は、短期的な勝負を狙わないで長期的な勝負を狙ってほしい。わたしは、このハンバーガービジネスもはじめからいっているように三〇年かかる。一サイクルは三〇年だ。三〇年辛抱すれば成功できる。その次はまた次の三〇年だ。だから三〇年がんばろう。そうすればゼロ歳の子が三〇歳になるから、その子がハンバーガーを食べて育てばその次の世代もハンバーガーを食べにくる。
藤田田著 『勝てば官軍』より引用
いまではハンバーガーは子供だけが食べるものではなくて、老若男女、誰でも食べるようになりました。
都会のランチタイムのマクドナルドに並んでいるのは、スーツ姿の会社員やOLの方ばかりです。
藤田さんの経営戦略は、ばっちり当たったというわけです。
長い期間をかけて国民の生活を変えていくこと・・・自分の周りを見回してみますと、いろいろなことがそうなっておりますが、すごいことですし、恐ろしいことだ、と思います。
どこにでもあるマクドナルドと申しましたが、昨年行きましたロシアのハバロフスクにはマクドナルドは見当たりませんでしたよ・・・
参考文献:『勝てば官軍』 藤田田 (KKベストセラーズ)
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