『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』を読んで

Hitoshi Yonezu

2011年06月10日 10:00

 『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』とは、妙なタイトルです。

 私は20代のころから長財布を使っていますが、全然稼げていません。

 東京駅サウスコート内のヒントインデックスブックでこの本を見たとき、「長財布」と「稼ぐ」ということに何の関係があるのだろう?と引きつけられてしまいました。
 
 著者の亀田潤一郎さんは税理士ですが、この本は会計や投資の論理に基づいて稼ぐ方法が書かれている本ではなくて、お金に対しての心構えが書かれている本です。

 あくまで亀田さんのお金に対しての考え方ですから、論理がある訳ではありません。

 苦労された半生や、税理士としてたくさんの社長を見てきた経験から、○○をすれば○○になるだろうという個人的な予想をまとめた本です。

 例えば、「年収200倍の法則」というものが紹介されていますが、これは「財布の購入価格×200」が持ち主の年収の数字に一致するというものです。
 
 3万円の財布を使っている人の年収は600万円、10万円の財布なら2,000万円ということです。

 これはデータや調査の結果で示されている訳ではなく、著者の体験から述べていることですから、科学的な裏付けはありませんし、再現性もありません。

 20万円の財布を使えば年収が4,000万円になるというのなら、私は有り金をすべてはたいて、明日20万円の財布を買いに走りますが、そんなにうまくいくはずはないでしょう。

 ただ、こういう話を聞けば、ちょっとうれしいということです。

 この本の内容を信じるかどうかは、著者の言葉を信じるかどうか?ということになります。

 私が共感したのは、青信号が点滅したから走って渡ろうとする、電車の扉が閉まりそうだから飛び込む、というのと同様に、ポイントやセールに踊らされて買い物に走ってしまうのは、主体性がないという部分です。

 あくまでも、欲しいから買う、欲しくなければ買わない、というのが主体的な行動です。

 お札の向きを揃えて財布に入れたり、札の並べ方を統一したり、新札を使ったり、といろいろなおもしろい習慣が紹介されていますが、やってみようかなと思うこともいくつかありました。

 そうしてみても、人生は何も変わらないと思います。

 私は、その方が気持ちがよくなるのではないかな、と感じたから、やってみます。

 この本は信じるかどうかにかかっていますから、財布の形やお札の入れ方が人生に関係なんかある訳がない、と考えている方には、つまらない本だと思います。

 迷信めいたことに興味のある方はご参考になさってください。

 (スピリチャルの大御所の方がこういう本を書かれれば、どなたでも納得されるのでしょうが、一般の方が書かれた場合には、賛否両論になってしまいます。アマゾンの書評を見ていただければ分かりますが・・・)

 

 参考文献:『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』 亀田潤一郎 (サンマーク出版)
 

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