登るために頂上がある
山の頂上に、天国があるわけではないのだ。
そこにあるのは、山頂からの眺めと、そして登り切ったという満足感だけだ。
世界の頂上には、想像を絶する景色と満足感があるかもしれない。けれど、素晴らしくても、それは景色であり、満足感に過ぎないのだ。どんなに山を愛する登山家だって、山頂に住むことはない。
普通は頂上が目的で、登山が手段だと考える。
けれど、それはおそらく逆なのだ。
頂上に達するために登っているのではなく、登るために頂上がある。
人生やビジネスにおける目標は、必ずしも現実の山頂とは違うものだけれど、個人の体験としてはよく似ている。日々の努力を続けるために、目標を立てるのだ。
三木谷浩史著『成功の法則 92ヶ条』より引用
三木谷さんの文章を読んで、登山家ジョージ・マロリーの
「そこに山があるから」
という言葉を思い出しました。
頂上が目的(目標)、登山が手段というのが普通ですが、三木谷さんは登山が目的(目標)、頂上が手段だといいます。
あの山を目指す、というのは手段で、登山をするという、その行動こそが目的だというわけです。
登ることが目的だとするならば、登っている、という行動に、終わりはないということです。
終わりのないレースを走り続けるようなものだ、と思った方もおられるかもしれません。
経営とはそういうものなのです。
おそらく経営者の皆さまにはそんなに驚きはないでしょう。経営とはそういうものと当たり前のこととして取り組んでおられるはずです。
この厳しさをごく自然に受け止めて、楽しめるようにならなくてはいけないのだ、と思っています。
参考文献:『成功の法則 92ヶ条』 三木谷浩史 (幻冬舎)
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