『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』を読んで
竹田恒泰さんは、旧皇族竹田家のご出身で、明治天皇の玄孫(やしゃご)にあたる方です。現在は慶応義塾大学の憲法学の講師として、また作家としてご活躍されています。
竹田さんが著したPHP新書『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』は、子供や孫に読ませたくなる日本論としてよく売れ、20万部を突破したそうです。
この本は、天皇(すめらぎとお呼びする、理由は本書に書いてあります。)を国家の象徴する我が国が、いかに素晴らしい歴史をもつよい国であるかを解説してくださっています。
国としての連続性を保って、二千年以上も国家を営んできた日本は世界史の奇跡ともいえ、日本に次いで長い歴史をもつ国家はデンマークですが、それも千数十年にすぎないそうです。
日本が外国から攻められたのは、大東亜戦争と、幕末の下関戦争、薩英戦争、そして蒙古襲来だけでした。人類の歴史の中で、日本列島以上の広さをもつ地域で200年以上戦争がなかったのは、日本の平安時代と江戸時代の二例しかないのだそうです。
平和だったのは地理的な条件もあったことですが、皇祖から連綿と続く皇統を維持してきたことも日本の平和に寄与しているといいます。
天皇の御役割をひと言で言い表すのは難しいですが、「天皇は祈る存在」といえば大きく外れることはないそうです。その具体的な内容も本書で示されています。
巻末に映画監督の北野武さんとの対談が掲載されていますが、北野さんが、次のように述べておられます。
天皇は「はなからいる」という感じがします。だからどの時代にこの人が天皇になって、というのはわりとどうでもいい気がして、「はなからいる」わけだから、原点を決める必要もない。
『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』より引用
北野さんのこの考え方は、とても言い得ている表現で、共感しました。
皇族の血筋を引く方の書かれた本ですので、それはご理解頂いたうえで、日本はよい国だと感じるために、日本人として元気になるために、ぜひご一読くださいませ。
参考文献:『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』 竹田恒泰 (PHP新書)
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