プロの文章とは

Hitoshi Yonezu

2011年04月22日 10:00

 被災された皆さま方に心よりお見舞いを申し上げます。
 
 『福田和也の超実践的「文章教室」』は、慶応義塾大学環境情報学部教授で、文芸評論家として有名な福田和也さんが、いろいろな作家の文章を引用しながら、人の心を打つ文章の書き方を伝授してくれる本です。

 私は毎日ブログを書いておりますが、福田さんは次のような指摘をされています。

 精神の運動神経を鍛えることのできるもの、私はそれを「文章」と定義しています。
 ブログなど「ただで読める」情報と、私のいう「プロの文章」とはどこが違うのか。
 前者は、主に感情や情緒を噴出、吐露しているだけで、そこに工夫はない。密室での自慰のように、自分の快感のためのもののように思われます。書き手に受け取る側の姿が見えていないようにも見受けられる。もちろんそれだけで満足するならそれでいいのです。
 けれどせっかく「何か書こう」という意思を持ったのだとしたら、それをもう一歩進めてはどうでしょうか。自分の文章をどんな人が読んでいるのか、受け手の姿を明瞭にする意思を働かせてはいかがでしょうか。
 自分以外の誰かを求めようとすること、受け取り手を意識すること、それは社会とのつながりの基本でもあります。

                『福田和也の超実践的「文章教室」』より引用



 自分とは共通の基盤のない他者と、どうすればつながり合うことができるのか?

 福田さんは、プロの文章を書くこと・・・すなわち、お金を取れる文章を書くことだ、と述べています。

 お金を取れるような文章を書くことが社会とのつながりの基本になる・・・アマチュアとしては気付かなかったことでした。
 

 私の文章はプロのレベルには到底届きませんから、自分の好きなことをブログに書いているうちは、自己満足に過ぎないわけです。

 お返しする余裕がないので、コメントやトラックバックの欄も設けておりませんから、コミュニケーションもありません。

 ならば、福田さんのおっしゃるように、読者を意識して、読んで何らかのお役に立つ文章が書けたときにようやく、読者の方や社会とのつながりができた・・・と言えるのです。

 フェイスブックやツイッターが災害で有効に利用され、いま、絆やつながりというものが見直されています。みんなが他人との絆を求めていることもはっきりしてきました。

 福田さんの本を読んで、私の拙いブログにおいても、ただ情報を流すだけでなく、どのようにしたら受け取る方にお役に立てるか常に考えて書くようにしたい・・・と思いました。
 
 被災地のみなさまに平和が戻ることを祈っております。

 

 参考文献:『福田和也の超実践的「文章教室」』 福田和也 (ワニブックスPLUS新書)
 

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