山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?
被災されました全国の皆さま、およびご関係の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
松本パルコ地下の書店リブロで、『山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?』という本を見つけました。
背表紙を見て、いま流行りの名前のつけ方をした経営の本か・・・と思いました。
名前だけが大げさなこの手の本には飽き飽きしていましたので、期待せずにぱらぱらとめくってみましたら、経営の本といよりも、鉄道マニアが好きそうな内容の本でした。
私も小学生のころは国鉄の切符を集めることに喜びを感じていましたし、時刻表を眺めているのも好きでした。中学生のころには一人で電車に乗って遠出していましたから、少し鉄ちゃんの気があるかもしれません。
早速、購入して読んでみました。
題名にもなっている、山手線と東海道新幹線の収益の構造や、大人気のトワイライトエクスプレスの収益構造、なぜ都会でも中古の電車ばかりが走る路線があるのか、など鉄道好きな人には興味深い話がたくさん詰まっています。
経営の話ではないので、週刊誌を読むような感覚で読むことができます。
JRが国鉄だった最後の年、1986年には、3.6兆円の収益に対して、営業経費は5.3兆円、経常損失は1.4兆円、長期債務の総額は37.1兆円もあったのだそうです。収益のうち実に85%が人件費だった時もありました。
そのころ、国鉄の職員がお客さまに丁寧に接することは、職員が経営側におもねる点数稼ぎの行為として、よしとしない気風があったそうです。
民営化によって、事業は多角化し、経営の概念が導入されて、ほとんどの鉄道会社が黒字化するようになりました。社員の方々もお客さまをお客さまとして扱うようになりました。
私は子供のころ、鉄道職員の方は怖い人というイメージがあり、下手なことでもしたら怒られるかもしれない・・・と思っていました。
これらの改革の裏には、ご存じのように、多大なる税金の投入があったわけです。
鉄道好きな人には面白い本だと思います。ぜひご参考になさってください。
被災されている皆さまには、一刻も早く平和が戻りますことを心よりお祈りいたしております。
4月20日水曜日朝6時30より、毎月恒例のビジネス読書会を開催します。今回は持ち寄り読書会です。ご自分の好きな本を持ち寄り紹介する会です。
新しい仲間を歓迎します。
ご興味のある方は、右の欄の「オーナーへのメッセージ」から、私にメールをください。お待ちしております。
参考文献:『山手線と東海道新幹線では、どちらが儲かっているのか?』
中嶋茂夫 (洋泉社)
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