『社内埋蔵金をお金にする知恵』を読んで

Hitoshi Yonezu

2011年03月11日 10:00

 『社内埋蔵金をお金にする知恵』は、財務に精通した経営コンサルタントの井上和弘さんが、中小企業に眠っている社内埋蔵金の掘り出し方を伝授してくれる本です。

 「埋蔵金」という言葉は、日本政府の特別会計の剰余金や積立金のことを指す、いわゆる「霞が関埋蔵金」が問題になって、一躍有名になりました。

 「埋蔵金」とは魅力的な言葉ですね。もしも本当に、埋蔵金が自社に埋もれているとしたら、企業の経営者の方はうれしくなってしまいますよね。

 しかし、社内埋蔵金といっても、手品のように、ないものが突如として出てくるわけではありません。法令順守でかつ倫理的にも正しい方法を使って、社内のキャッシュを探し出していくのです。

 例えば、使っていない固定資産を除却して非現金支出の費用を計上する方法です。

 使っていない固定資産なんかない・・・と思いますが、井上さんによると次の条件を満たす固定資産は、固定資産除却損計上が可能になるのだそうです。

 1.1年以上、遊休状態にある。
 2.風、水、塩害で著しく損傷、傷んでしまった。
 3.事故により著しく損傷、傷ついてしまった。
 4.本来の用途に使用することができず、他の用途に使用されたこと。
 5.その資産の所在する場所の状態が著しく変化してしまったこと。
 6.固定資産がやむをえない事由により、その取得から1年以上使用されていないため、その価格が低下したと認められること。

 詳しくは税務署または顧問税理士さんにご相談いただきたいと思いますが、こういう条件であれば、何か該当するものは出てくるのではないでしょうか。

 社長が最も気をつけなくてはならないと思ったのは、「あなた自身が埋蔵金」という指摘です。

 放漫経営を行っていると、社長が最も無駄なお金を支出するセクターになってしまいます。誰も止める人がいないのですから、当然そうなります。

 社長自身が動く埋蔵金だとしたら、会社はよくなりませんね。社長は厳しく自分を律していくことが重要なことだ、と思いました。

 中小企業の経営者の方は、ぜひご一読ください。

 参考文献:『社内埋蔵金をお金にする知恵』 井上和弘 (中経出版)
 

 

 
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 参考ブログ:
 「『挫折力』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e676108.html
 「第二回上田ビジネス読書会開催しました。」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e668222.html

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