『グレートカンパニーの作り方』を読んで
戦略、マーケティング、財務、人材、組織などさまざまな観点から企業を診断して、総合的に「健全」という結果が出たとしても、現実的には業績が伸び悩んでいる会社も結構あるそうです。
逆に、経営診断の結果があまり良くなくても、すばらしい会社(グレートカンパニー)もあるのだそうです。
それは、経営診断の多くの項目で良い点数を取るのではなく、一点だけが突き抜けている独自性をもっているような会社だそうです。
そのグレートカンパニーの秘密を明かしてくれる本が、船井総研の取締役常務執行役員の五十棲剛史さんが著した『お客も社員もどんどん幸せになるすごい会社 グレートカンパニーの作り方』です。
この本には、船井総研の主催するグレートカンパニーアワード受賞企業の中から、特に強い個性をもち、かつ業績の良い企業が6社紹介されています。
長野市の中央タクシーさんも6社のうちの一社です。
中央タクシーさんは、長野オリンピックの際にマスコミなどからのタクシー特需が起こっても、地元のお客さまを優先することを貫いた会社です。
私も乗車したことがありますが、客席を向いて自己紹介してくれて、本当に感じのいいタクシーです。
グレートカンパニーとは、お客さまからは「明確にここに来る理由がある」と言われ、社員からは「この会社に居続けたい理由が明確にある」と言われるような会社です。
そのためには、ミッション経営を志す必要があるそうです。
ミッション経営とは、共感者(人材、顧客、お金)が自然と集まるミッションを掲げ、それに基づいてすべての経営資源に一糸乱れることなく一貫性を持たせたゴールデンツリーを完成させた経営のことを指します。(引用)
経営理念が目指すべきゆるやかな方向性であるのに対し、ミッション・ステートメントは何が何でもやり切らなくてはならない力強いものだそうです。
経営理念はほとんどの会社にあると思いますが、ミッション・ステートメントがある企業はまだ少ないのではないでしょうか。
企業のミッションを貫く過程では、家族や古参社員の反対にもあうことがあります。身内の方が障壁になることもありうるでしょう。
自分がいなくなってもやってほしいこと、本当にやりたいこと、本気になってやりたいことをまとめていく・・・何よりもミッションが優先です。
この先の世界では、普通の会社では生き残っていくことができなくなるでしょう。
トップの覚悟と行動が求められているのだと思いました。
参考文献:『お客も社員もどんどん幸せになるすごい会社 グレートカンパニーの作り方』
五十棲剛史 (徳間書店)
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