『「日本脳」改造講座』を読んで

Hitoshi Yonezu

2010年12月20日 10:00

 『「日本脳」改造講座』は、「ミスター円」と呼ばれた、元大蔵省財務官の榊原英資さんが、日本人特有の考え方「日本脳」の優位性と限界を指摘し、日本をよくするための提言をまとめた本です。

 榊原さんは、「イエスorノー」の世界を「欧米脳」、「イエス&ノー」の世界を「日本脳」と呼んでいます。

 昨今の我が国の外交や、日系企業の海外での展開を見て、私は非常に心配になっていますが、諸外国と対等に渡り合えない「日本脳」を形作ってきた要因の一つは、翻訳文化だといいます。

 日本は、外国から入ってきた異質なものを異質なまま受け入れるのではなく、日本に合うように翻訳してから受け入れる、という特殊な文化をもっています。

 異質なものを同化するということは、異質なものを異質だと認識しないことですから、そうなると、日本と何だろう、世界とは何だろうということになり、なかなかグローバルな発想ができなくなってしまうのだそうです。

 何でも日本化できてしまうという翻訳文化は、それ自体は非常に高度な文化で、それゆえのメリットもあったのですが、グローバル化した現在ではこの翻訳文化が日本の国際化を遅らせ、日本を内向きにさせて、国際舞台での活躍を阻害している面があるといいます。

 その一つとして榊原さんは、日本人はもっと英語を使えるようになるべきだとし、翻訳中心の英語教育を批判しておられます。

 私は大学受験を目指して、中高と6年間も英語を勉強し、大学でも4年間、英語を勉強しましたが、英語をしゃべれる、と胸を張ることができません。
 人のせいにはしませんが、英文和訳と和文英訳ばかりやってきたから・・・ということもあるのではないでしょうか。

 面白いアイデアだと思ったのが、廃藩置県ならぬ、廃県置藩です。

 いま議論になっている道州制は、どういう組み合わせで分けるかというところに歴史的基盤がなく、仮に地図に線が引けたとしても、どこに首都を定めるかという問題も出てきてしまいます。
 榊原さんは、江戸時代の藩のように、全国に300程度の基礎的な自治体をつくり、それぞれに自由に行政を任せれば、個性豊かな地方自治体ができるだろう、といいます。国家は外交や防衛など全体的な分野のみを担当するわけです。

 江戸時代は藩ごとに随分個性があったと聞いております。
 小さい自治体ならば、いろいろな政策が実現できそうです。藩めぐりの国内旅行も楽しいのではないでしょうか。とてもワクワクする構想です。

 日本はよい国なのだなあ、ということを改めて感じましたし、早急に改善しなくてはならない弱いところも見えてきました。
 
 私も、目の前のことにしっかり取り組んで、日本に貢献したいと思います。

 世界の中の日本の姿を知るために、みなさまもぜひご一読ください。
 
 

 参考文献:『「日本脳」改造講座』 榊原英資 (祥伝社)
 

 
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