和魂洋才と中体西用

Hitoshi Yonezu

2010年10月16日 10:00

 「和魂洋才」とは、日本固有の精神をもって西洋の学問、知識を学びとるという意味で、日本近代化の基本思想です。   

 中国には、「中体西用」という似たような言葉があり、これは中華文明の思想や伝統を本体としたうえで、西洋の科学技術を末節として利用する、という意味だそうです。

 この二つの言葉は似ているのですが、実は決定的に違っているそうです。

 「魂」には形がないのに対して、「体」は「具体的」の体と同じで、誰の目にも、はっきりと見えなければならないものだそうです。

 中国の共産党による政治体制は「体」です。
 世界の途上国の前例では、国民の生活レベルが向上すれば、それなりに民主化が進むものですが、中国の場合は、経済発展という「用」の向上は、あくまで「体」を強化する手段に過ぎないために、共産党という組織が変わることはないのです。

 日本では、中国との関係でトラブルが起こると、心や魂の問題にしようとしますが、「体」の問題にしようとする中国とは、そもそも議論がすれ違っています。

 以上の考え方は、『貝と羊の中国人』に出ていたものです。

 いろいろな報道を聞いていると、国の代表として交渉している方たちは、本当に相手のことを理解しているのだろうか・・・と考えてしまいます。
 国益を守りたいという意識には本当に感謝しますが、戦わずしてよい結果を出すことがもっともありがたいです。

 私の知っている中国人は、みんなよい人ばかりです。

 私はインターネットと本から国際情報をとりますが、なるべく客観的に見るように努力しています。

 『貝と羊の中国人』を読むと、中国人の考え方をよく理解できます。ニュースを見る前に、みなさまにもぜひ読んでほしい本です。

 参考ブログ:「『貝と羊の中国人』を読んで」 
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e533280.html

 

 参考文献:『貝と羊の中国人』 加藤徹 (新潮新書)
 

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