フランス、イタリアに負けない

Hitoshi Yonezu

2010年08月25日 10:00

 G8といえば、日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア連邦、イギリス、アメリカ(場合によっては欧州委員会も)の八カ国のことを指します。

 工業製品の輸出によって経済をけん引し、多くの国に対して貿易黒字をあげている日本ですが、G8諸国の中で、逆に、日本に対して貿易黒字の国はどこでしょうか?



 意外ですが、フランスとイタリアです。



 G8以外ですが、スイスは、貿易、所得、金融サービス、特許料とすべての分野で対日黒字をあげているのだそうです。
 
 天然資源もなさそうで、工業立国でもないこれらの国がなぜ日本にたいして黒字を計上できるのでしょうか?



 自国製の高級ブランド品があるからです。食品、繊維、皮革工芸品、家具などの軽工業製品が日本で売れているのです。


 この話は、『デフレの正体』に書かれていたことですが、著者の藻谷浩介さんによれば、今後アジアがもう一段経済成長をして、いまの日本並みに豊かな階層が出現したときに、高級品、ブランド品として、フランス、イタリアなど欧州の製品が買われるのか、日本の製品が買われるのか、国際競争が起こるといいます。

 ハイテク工業製品ばかりではなくて、軽工業品にも日本の活路はあるのです。

 例えば、いま、日本の化粧品は、アジアでは同じアジア系の肌にあう最高級の化粧品として認識されているそうです。

 信州にも、世界のブランドと成り得る本当に品質のよい製品がたくさんありますね。ワイン、りんご、巨峰、肉、魚、味噌、醤油、家具などなど。

 こういったものは工業製品と違って、なかなかまねできませんし、まねされたとしても、買う側はコピー製品では満足せず、本物を望むものです。

 日本も、イタリア、フランスのように歴史と風土を活かして、輝く存在になることができる道がありそうですね。

 

 参考文献:『デフレの正体』 藻谷浩介 (角川oneテーマ21)
 

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