はとバスの秘密
レモンイエローの車体で有名な「はとバス」は、東京観光の代名詞のような存在ですね。
そんな「はとバス」も、1998年当時には4年連続の赤字で、70億円もの借金を抱えており、倒産寸前の状態にあったそうです。
はとバス再建の切り札として、都庁で交通局長や、地下鉄建設の要職を歴任された宮端清次さんが1998年、社長に任命されました。
宮端さんは、就任挨拶で、
「来年6月の決算時に黒字にできなければ、責任をとって社長を辞め、役員も総退陣してもらいます。」
と宣言したそうです。
そして、人のリストラはせずに大胆な賃金カットを行い、事業のリストラ、お客様第一主義の徹底、社員の意識改革などを断行し、社長就任初年度で単年度黒字を計上し、その後わずか4年で累積赤字を一掃、復配を果たしました。
公務員が民間企業の立て直しをするの?と少々驚いてしまいますが、宮端さんは初めて経験するようなことでも、素直に受け止められ、決めたことを次々と実行されていきます。
都の職員として高い地位におられたのに、偉そうな態度は一切なく、着実に経営改善をなさいました。
どんな経歴であろうと、初めてのことでも、やる気と実行力があるなら、何でもできるのだなあと改めて感じました。
宮端さんは、100人のお客さまのうち1人でも不満のあるお客さまがいると、成果はゼロになってしまうといいます。その代わり、不満のあるお客さまがゼロだったなら、100は200になるのだそうです。
つまり、
100-1=0
100-0=200
だということです。
サービスの真髄を、公務員だった方に教えて頂くなんて・・・
自分は余りにも勉強不足で、恥ずかしいことと思いました。
接客やサービス業をなさっている方はぜひご参考になさってください。
参考文献:『はとバスをV字回復させた社長の習慣』 宮端清次 (祥伝社)
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