『中国ビジネスとんでも事件簿』を読んで

Hitoshi Yonezu

2010年07月05日 10:00

 『中国ビジネスとんでも事件簿』は、日本の大学で教鞭をとられている中国人の弁護士が書かれた新書本です。

 この本によれば、中国とのビジネスをしていく中で、文化や風習の違いからいろいろなトラブルや事件が起きているそうです。

 前半では日本人が巻き込まれた実際の事件が紹介されており、後半では日中の契約文化や法律制度の違いなどについて説明されています。

 朝の民放のニュース番組で取り上げられるような三面記事的な事件が四つ紹介されていますが、いずれも、もとは男女関係が発端になっています。

 中には、中国人の女性から「青春損害賠償金」なるものを請求された一流商社のエリートビジネスマンのケースも・・・

 男性は女性にのめり込んでしまうと、自分の位置が分からなくなってしまうのですね。


 後半部分を読むと、日本と中国は同じ漢字文化圏ながら、全く違う文化だということがよく分かります。

 例えば、「主任」といえば、日本では一般的に係長の下のクラスで、そんなに役職の高いイメージではありませんが、中国の中央省庁クラスでは国務大臣を意味する最も偉い役職なのだそうです。
 
 逆に、「大学学長」といえば、日本では相当偉い人のイメージですが、中国では自分と同じ大学の先輩という意味しか持たないので、何のインパクトもないそうです。

 いま実際に中国関係の仕事をされている人は別としても、ほとんどの日本人は中国人の事をよく知らないのではないかと思います。

 中国とはこれからも仲良くして、相互に発展していきたいと思いますが、その前に、まずは相手の事をよく知らなければなりませんね。

 
 参考文献:『中国ビジネスとんでも事件簿』 範雲涛 (PHP新書)
 

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