高田純次の『人生の言い訳』

Hitoshi Yonezu

2010年06月14日 10:00

 「高田さんのテキトーな感じがいい」と第三者に言われて、「そうか!」とその気になった僕が、「適当」を大いに意識してそれを演じてみせるとか、芸にしちゃおうとかなったときに、それはもう「適当」じゃなくなっちゃうってことだ。

                  高田純次『人生の言い訳』より引用


 適当男・・・
 
 「適当」なことが、逆によいイメージとなっている高田純次さん。

 不安ばかりで、余裕のないこの時代、適当に生きているのにいつも楽しそうな高田さんは、人びとの希望の星となっているのかもしれません。


 私も、適当男でいいですから、テキトーに生きてみたい・・・

 冗談です。


 この本は語りおろし的な文章で、イメージ通りのちょっとエロいナンセンスギャグで終始しているのですが、ときどきチラッチラッと高田さんの鋭い視線が出てきます。その鋭い語りを読むと高田さんの本質が分かります。

 高田さんには大ヒットしたギャグがあるわけでもなく、映画など特別な才能を発揮するわけでもないのですが、それでも、誰でも高田さんを知っていますし、芸能界で大きな存在感があります。

 私の友人に、高田さんの知り合いがいるのですが、実際に高田さんに会うと、「適当男」のイメージとは全く違っていて、腰が低い、礼儀正しい紳士なのだそうです。
 
 「適当男」がなぜ人から好かれるのか、ご参考になさってください。
 
 参考文献:『人生の言い訳』 高田純次 (廣済堂出版)
 

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