『愛される接客』を読んで

Hitoshi Yonezu

2010年05月23日 11:19

 新川義弘さんは、西麻布の「権八」で小泉元首相とブッシュ元米大統領の会食の接客を担当したことで有名になった、レストラン業界のカリスマです。

 いまでは、株式会社HUGEの代表取締役として、「ダズル」や「リゴレット」など、たくさんのレストランを経営されています。このブログでも、前著『愛されるサービス』をご紹介いたしました。

 参考ブログ:『お客様のことを知るために』
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e287939.html

 新著『愛される接客』は、新川さんのサービスに対する考え方がますますよくわかる本です。接客サービスをされている方には大変参考になると思います。

 飲食店では、そのお客さまが誰なのか、どのような人なのか、認知すること(リコグニッション)は、とても大切な要素ですが、新川さんは、「名前は聞くものではない」といいます。

 お客さまと信頼関係をつくって、お客さまがご自分で名前を言いたくなってしまうようなサービスをすることが大事だそうです。

 いまのマーケティングでは、CRMや顧客管理が流行っていますから、名前や情報を取得することが目的になりがちですが、それでは意味を履き違えています。

 サービスをする者としては、「あっ、あのお客様、お会いしたことがある!確かあのときは・・・」と気づいて、具体的にお役に立とうとすることが、お客さまを認知するということの原点なのです。
 
 仕事を作業として淡々とこなすのではなく、自らの人格を上げて、お客さまと信頼関係をつくっていく過程が大切だ、と私も強く思っております。
 
 参考文献:『愛される接客』 新川義弘 (日経BP社)
 

 この本の中に、若い女性の採用面接をしたときに、40歳代の新川さんが、
 「ところで、僕って何歳に見えるかな?」と聞いたところ
 「52歳。父より少しだけ若く見えるから・・・」
 と言われて、軽いめまいを覚えた、というくだりがあります。


 前に、ある会合で、六本木のリゴレットにおいて新川さんの講演をお聴きしたとき、話の流れで、

 「この中で、私より先輩の方は・・・」

 と聴衆を見まわしながら、一番前に座っていた私を指さして、

 「先輩!先輩ですよね?」

 と問いかけてきました。

 私は新川さんより四つも年下なんですが・・・???

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