『心に響く小さな5つの物語』を読んで
この本は、雑誌『致知』編集長の藤尾秀昭さんのエッセイを5編を集めたもので、片岡鶴太郎さんがイラストを描いておられます。
さっ、と読めば、10分で読めてしまう本です。
ほんとうは、それぞれの人生や情景を想像しながら、ゆっくり読みたい本です。
上手な方に朗読していただいたら、もっと深く、もっと豊かに想像をふくらませることができることでしょう。
第三話に出てくる、詩人の高見順さんの詩をご紹介します。高見さんは、入院中、病院の窓越しに、激しい風雨のなか、新聞配達をしている少年の姿を見ました。
なにかをおれも配達しているつもりで
今日まで生きてきたのだが
人びとの心になにかを配達するのが
おれの仕事なのだが
この少年のようにひたむきに
おれはなにを配達しているのだろうか(以上引用)
私も、人の心に光をともせるように、この瞬間を一度限りと認識し、真剣に、力いっぱい生きているだろうか・・・とハッとさせられました。
参考文献:『心に響く小さな5つの物語』 藤尾秀昭 (致知出版社)
関連記事