どうしたら損をすることができるか?

Hitoshi Yonezu

2010年03月31日 10:00

 普段、我々は、どうしたら得をするのか、どうしたら有利なのか、どうしたから儲かるのか、ということばかりを考えています。

 雑誌やテレビなどでも、「絶対お得な・・・」、「賢いお買いもの術・・・」など、利を求める特集は大人気です。

 損をするための方法を考える、と言ったら、いったい何のために???と思われることでしょう。

 『般若心経の教える幸せになるための智慧』によれば、般若の智慧を理解するために、損をするための智慧を磨けといいます。

 例えば、電車で席に座らないことです。

 お年寄りが立っているから、席を譲るというのではなく、そもそも座って快適に過ごすことを放棄し、立っていることで、自分が少し損をすることができます。

 誰かに何かをしてあげるということではなく、相手がいようといまいと、誰かが見ていようといまいと、欲望を抑えることです。贅沢をしない、貪らない行為です。

 ほめられたい、認められたい、ありがとうと言われたい、という見返りを求める気持ちを捨て、純粋に損の仕方を考えるのです。

 損の仕方を考えていると、実は、自分の目や心にはフィルターがかかっていて、曇って見えている、歪んで見えているということに気がついてくるのだそうです。

 フィルターを通して見ているものは、餓鬼の世界、人間界の地獄なのです。

 とても高いところにある境地で、私などがのぼっていくのは到底困難ですが、日々の生活の智慧として少し取り入れてみたいことです。
 
 参考文献:
 『般若心経の教える幸せになるための智慧』 ひろさちや 阿純孝 (ソフトバンク新書)
 
 参考ブログ:
 『会社の奴隷』 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e433522.html
 『お供えすること』 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e434963.html

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