『反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力』は、弁護士が実際に法廷で使っている反対尋問の方法やテクニックを公開した本です。
手法自体はそんなに難しくはないので、もし敵対する相手がいたとして、何かを探るために自分に対して使われたとしたら、怖いことだなあと思いました。(嘘はつかないから大丈夫ですけどね・・・)
逆に自分でこの方法を覚えてしまえば、本当に嘘を見破れるだろうと思いました。
この本の「はじめに」のなかに、
「本書のスキルの悪用はとても危険なことにもなりかねませんので、厳に慎まれることをお願い申し上げます。」
という一文が書いてありました。
法廷や調停などでたくさんのご経験を積まれている弁護士さんは、こういうスキルは自然と身についてるのだろうと思います。
当社でお世話になっている弁護士の先生も、話を聞いていれば嘘をついているかどうかは大体分かるとおっしゃっています。
どういうところを見ているのかな~と考えていましたが、この本を読んだら、先生のおっしゃっていることが何となく理解できました。
面白い箇所がいくつもありました。
人間の記憶というものは、実にいい加減なものだそうです。
例えば目撃証人の記憶も、警察、検察のたび重なる暗示によるバイアス、早く事情聴取から解放されたいという自分自身からのバイアス、マスメディアによる「逮捕された人間=犯人」というバイアス、以上の3つのバイアスがかかることによって、変化してしまうのだそうです。
最近大きな問題となった冤罪事件などもまさにこのバイアスが大きく作用してしまったものでしょう。
女性の嘘についても興味深いことが書いてありました。
男性は嘘をつくと目をそらしてしまうのですが、女性の場合には目を合わせる傾向が強いそうで、女性の嘘を見破るのは至難の業だそうです。
しかし、そんな女性にも制御できない目の動きがあるのです・・・男性は知っておいた方がよいです。
知りたい方は読んでみてくださいね・・・読まない方は私に聞いてくださいね。
参考文献:『反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力』 荘司雅彦 (日本実業出版社)