幸せってなんだっけ?

Hitoshi Yonezu

2009年11月23日 14:04

 『すべてを味方 すべてが味方』に次のような文章がありました。
 
 「幸せ」とは「何かを得る」とか「ほしいと思っていたものを手に入れる」ことではなく、「今の自分が〈幸せ〉のなかにいること、〈幸せ〉のなかに存在していること」を知ることです。(以上引用)


 お金があれば幸せになれる、結婚すれば幸せになれる、出世すれば幸せになれる、というように、形あるものに執着していると、実際にそれが手に入った時にはすぐ、次に欲しいものが見えてきてしまって、いつまでたっても幸せになることはできません。

 私は大学時代にワンダーフォーゲル部に所属しており、よく登山に行きました。夏合宿ともなれば10名くらいでパーティーを組み、30キロもあるような大きなキスリングを背負って、二週間以上も山に入るのです。下級生のころは、山に慣れていないうえに、下働きをさせられるので、本当に大変でした。

 登山の最中に上を見上げると、頂上のように見えるこぶがあるのです。
 頂上までたどり着けば、重い荷物をおろして休息をとることが出来るので、頂上らしきこぶを目指して、必死になって登っていきます。
 しかし、最後の元気を振り絞って、登りきると、実はその上にまだ山があるのです。頂上のように見えたところは、ニセピークなのでした。(みんながニセピークと呼んでいました。)
 新人の頃は、そこで先に延々と続く山々を見て、意気消沈し、ばててしまう仲間もおりました。

 あそこまで行けば楽になれる、という考えで登っていると、いつまでたっても楽になれません。いま楽しく登っているのかどうか、ということが大切なのです。(下級生のころにはそんな余裕はありませんでしたが)

 日々の生活においても、ニセピークにだまされていないだろうか、気をつけようと思いました。

 

 参考文献:『すべてを味方 すべてが味方』 小林正観 (三笠書房)
 

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