リーダーシップとマネジメント

Hitoshi Yonezu

2009年07月10日 19:21

 『7つの習慣』は、もう何度も何度も読み返している私の愛読書である。今日はあることを確かめたくてページをめくっていたのだが、リーダーシップとマネジメントの違いについての説明が目に入った。企業経営の本ではないが、とてもわかりやすかったのでご紹介したい。

 (以下引用)
 「マネジメントとは物事を正しく行うことであり、リーダーシップは正しいことをすることである。」ということだ。マネジメントは成功のはしごを能率よく昇ることであり、リーダーシップはかけ違っていないかどうかを判断することである。
 (以上引用)

 ジャングルの中で手斧をもって道を切り開いている作業チームの例が出ている。
 手斧をもって実際に木を切る作業をする人たちがメンバーである。
 その後方に立って手斧を研いだり、方針や手順のマニュアルをつくったり、筋肉強化のプログラムを開発したり、スケジュールを組んだりするのが、マネージャーである。
 そして、ジャングルの中で一番高い木に登り、全体を見渡して、下に向かって、「このジャングルは違うぞ」と叫ぶ人がリーダーである。

 ビジネスがまだ家業の段階では、お父さんの指示の下、家族全員の意思疎通がうまくできて、家族それぞれが一生懸命働けば、マネージャーがいなくても、お父さんのリーダーシップで経営はうまくいくだろう。
 誰かがさぼってもお父さんが叱ればよいし、叱ってもうまくいかなければ他の家族が助けてくれる。強烈なリーダーシップで、思い通りにメンバーを動かせれば、道は開かれるのである。

 しかし、家業から企業にステージが上がった場合には、そうはいかなくなる。組織は大きくなってきているし、家族ではないから、メンバーの考えはみなバラバラ、リーダーの意思がメンバーに通ることはない。
 そこで、リーダーが思い描くことを、メンバーが確実に実行できるような仕組みが必要になる。その仕組みを作って、実行することがマネジメントであり、マネジメントを実行していく人がマネージャーなのである。

 家業という小さな組織であっても、ビジネスの経営をしてきた人であれば、それなりのリーダーシップをもっているはずだ。組織がうまくいかないのはトップにリーダーシップがないからではなくて、マネジメントの体制ができていないからなのかもしれない。
 リーダーシップの力だけで経営しようとしたら、トップにのしかかってくる負担が大きく、やがて立ち行かなくなってしまうだろう。
 企業になったつもりだったが、実は家業のままだったという結末である。

 以前読んだときにはリーダーシップについて納得できたと思ったが、今日はマネジメントについての理解が深まった。

 参考文献:『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー著(キングベアー出版)
 

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