『和田裕美の人に好かれる話し方』を読んで
お取引先様と商談をしていたときのことです。私が疲れているように見えたのか、
「社長のお仕事は大変ですよね・・・」
と勝手に共感されてしまったことがありました。
さらに、話が進んで、私が独り暮らしと知ると、
「えー、全部おひとりでやっているのですか~大変ですね・・・」
と、すごーく、同情されてしまいました。
私としては毎日続けていることですから、そんなに大変だとは感じていないのですが、先方からすると、かなり大変な生活を送っているように見えたようでした。
自分だけが本当に大変な生活を送っているんだ~と暗示に掛けられてしまいそうですが、とりあえずは、相手の気持ちに感謝して、
「ええ、まあ、そうですね・・・」
と答えるしかありません。
しかし、何度もそう言われると、どうもしっくりこなくて、納得できないので、
「そんなに大変ということはないですけどね・・・」
とお答えすることになります。
こんなことを言われるの私だけなのかな~、と長年思っていました。
ところが、『和田裕美の人に好かれる話し方』に全く同じ体験が書かれていたのです。
和田さんによれば、大変な出来事でも、楽しく受け止めて、いい経験だと感謝しながら生きていこうと決めた人には、「大変ですね」という言葉は、迷惑な言葉になるそうです。
私も、本当は、
「そんなに大変じゃないんです!どうして大変だ、というのですか?」
と言いたかったのです。
元気に活躍している人に、大変だ、大変だと言うのは、共感しているようにも思えるのですが、実は、大変そうなその状況を聞きだしてみたいという裏も感じられるのです。
和田さんは「よかったね。よかったね」と言ってくださる人が好きだそうです。
相手を喜ばせたり、いやな気分にさせてしまったり、言葉のちからは偉大です。言葉はテクニックを学んで出てくるものではなくて、人生観や人格から出てくるものだ、と私は考えています。
和田さんのような立派な人格になるのにはほど遠いのですが、私も相手の方が喜んでくださるような言葉を使えるようになろう、と思いました。
参考文献:『和田裕美の人に好かれる話し方』和田裕美(だいわ文庫)
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