『カーネル・サンダースの教え』を読んで
中野明さんのご著書『カーネル・サンダースの教え 人生は何度でも勝負できる!』を拝読いたしました。
中野明さんは1962年生まれ、作家であり、同志社大学の非常勤講師です。大学で情報通信の講義を行うかたわら、経済、経営、マーケティングの研究を続けておられるそうです。
カーネル・サンダースといえば、どなたでもご存知ですね?
KFC(ケンタッキーフライドチキン)のお店の前に白いタキシード姿で立っている、あのおじさんです。
私はカーネルがケンタッキーフライドチキンの創業者であることは知っていましたが、どんな人生を送った方なのかまったく知りませんでした。
ちなみに「カーネル」とは、ケンタッキー州が定める称号の一つで、地域やケンタッキー州、国に対して顕著な貢献をした人物に対してケンタッキー州知事が贈るものだそうです。この本では親しみをこめてカーネルと呼んでいますが、本名はハーランド・デビッド・サンダースとおっしゃるそうです。
カーネルは5歳でお父さんを亡くし、なんと10歳の時から外に働きに出たのだそうです。10歳の時点で仕事をクビになるという経験をしました。11歳になる夏、カーネルの経営哲学が生まれました。
ワシはただ二つのルールを守ってきただけなんじゃよ。
できることはすべてやれ。
やるなら最善を尽くせ。
これが何かを達成するための唯一の流儀じゃないかな。
『カーネル・サンダースの教え』 p28より引用
1916年にプルデンシャル生命の営業マンになったカーネルは、成績を上げ、インディアナ州ジェファーソンビルのコミュニティーで重要な人物の一人と目されるそうになりました。このころ、カーネルはロータリークラブの会員になったそうです。
カーネルが初めてロータリークラブの例会に出席した時のことです。
ロータリー・クラブのメンバーとして迎えられたときのことじゃ。ワシは彼らのスローガンに心を打たれたもんじゃよ。
最も奉仕する者が最大の利益を得る。
我が身の前に他人に奉仕せよ。
以来ワシは、物事を行う際にこれら二つのモットーに従うよう努めてきたんじゃ。
『カーネル・サンダースの教え』 p43より引用
私もロータリアンの末席を汚しておりますが、カーネルは世界でもっとも有名なロータリアンだ(った)と聞いたことがあります。
ロータリークラブには「四つのテスト」という心得がありますが、カーネルはビジネスをの始める際にこの四つのテストでその価値を検証したのだそうです。
1.嘘偽りはないか?
2.関与するすべての人に公正か?
3.信用と信頼を築けるか?
4.関与するすべての人に利益があるか?
『カーネル・サンダースの教え』 p45より引用
参考ブログ:「四つのテスト」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e275035.html
カーネルの経営の基礎にはロータリークラブの考え方があったわけです。
さまざま職を経験したカーネルがケンタッキーフライドチキンを創業したのは65才の時でした。その後、フランチャイズにして店を拡大していきました。
あるフランチャイジーのオーナーがカーネルに成功の秘訣を聞きました。
店を清潔にしなさい。スタッフには礼儀正しくさせなさい。おいしい料理を出しなさい。あとは懸命に働きなさい。これで成功できるとは限らんが、成功への第一歩にはなるだろうね。
『カーネル・サンダースの教え』 p194より引用
カーネルの人生を詳しく知ることのできる本です。
一見、温厚そうに見えるカーネルですが、かなり荒い気性だったというのは意外でした。
65才から始めた事業があれだけの規模になったのはすごいです。私のような若造はまだまだあきらめてはいけませんね。
みなさまもご参考になさってください。
参考文献:『カーネル・サンダースの教え』 中野明 (朝日新聞出版)
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