委ねるということ
ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんは「委ねる」ということについて、次のように述べています。
その一つは、委ねるに際しては、相手を信頼しなければいけないということでした。二つ目は、委ねるということは、決して”丸投げ”することではなく、要所要所でチェックをして、委ねっぱなしでないことを相手にも分からせるということ。そして最後に、一番大切なことは、委ねた結果がよかった時は、その人の功績とするけれども、結果が悪かった時は自分が悪者となることを恐れないということです。
『置かれた場所で咲きなさい』より引用
渡辺さんは36歳で四年制大学の学長に就任されて以来、85歳になられる現在までずっと管理職をされておられます。教育、宗教の分野ですが、経営についても相当なお力を発揮されたのだろうと推察いたします。
かつて私は、成果を残した部下から「社長にすべて任せてもらったからうまくいきました」と喜ばれたことがありました。
私としてはそのときの彼のやり方に反対する部分がなかったためにそのまま進めさせただけで、チェックはしていました。任せっぱなしにしていたわけではありませんでした。
部下に仕事を任せて、その分野をしばらく離れていると、考えていたことと違う方向に向かってしまっていることがあります。
そうなったときには経営者の責任です。
丸投げしてしまうのは経営者としては無責任で、信頼して任せても定期的な定点チェックが必要だと思います。
お歳のことを申し上げては失礼ですが、85歳になられる宗教家の方がこのようなマネジメントを実践されていることに、その組織の確かさを感じました。
参考文献:
『置かれた場所で咲きなさい』 渡辺和子 (幻冬舎)
参考ブログ:
「仕事を任せるときには」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e954882.html
「仕事の丸投げの仕方」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e471609.html
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